犬や猫を迎えたい。でも、いつか死んでしまうと思うと決心がつかない。
そう思って検索した方に、まず結論からお伝えします。その怖さは、あなたが飼うのに向いていないという意味ではありません。 むしろ、迎える前から見送る日のことを想像できている人は、迎えたあとに大事にできます。
ぼくは迎えるときにそこまで考えていませんでした。実家にいた柴犬を見送って、そのあとで初めて「ああ、これが起きるのか」と知りました。
それでも、いまも家にはミニチュアダックスのくうと、保護猫のロトとトロがいます。怖さを知ったあとで、手放そうと思ったことは当たり前ですが一度もありません。
この記事では、怖さを消す方法は書きません。消えないからです。代わりに、怖さを持ったまま迎えるとどうなるのか、迎える前に何を決めておくと後悔が減るのかを、実際に起きたことだけで書いていきます。
読み終わったときに、迎えるか迎えないかの答えが出ていなくても大丈夫です。ただ「怖いままでも進んでいい」ことだけは、持って帰ってもらえたらと思います。
あや迎えたい気持ちはあるんですけど、最後のことを考えると手が止まっちゃって



北海道でダックスのくうと保護猫のロト・トロと暮らす介です
ぼくは何も考えずに迎えて、あとから怖さを知りました。だから、消し方じゃなくて抱えたままの進み方の話をしますね
ペットが死ぬのが怖いのは、大事にできる人の考え方です
まず、いちばん最初に置いておきたいことがあります。
「死ぬのが怖いから飼えない」と思っている人は、飼う資格がないのではなく、責任の重さが先に見えているだけです。
犬や猫を迎えることは、10年以上の生活を引き受けるということです。その先に別れがあるのは、迎え方を工夫しても変わりません。そこが見えている人は、迎えたあとに「思っていたのと違った」で手放す確率がいちばん低い層です。
逆に、怖さをまったく感じないまま迎えて、あとから重さに気づく人もいます。ぼくがそうでした。どちらが良い悪いではありませんが、少なくとも「怖い」と感じていること自体を、迎えない理由にする必要はありません。
怖さの中身を分けると、少し扱いやすくなる
「怖い」とひとことで言っても、中身はだいたい2つに分かれます。
- もう会えなくなることが怖い(別れそのもの)
- ちゃんとしてあげられなかったと思うのが怖い(後悔)
このうち、迎える前にできることがあるのは後者だけです。前者はどうにもなりません。誰が迎えても、どんなに良い暮らしをさせても、別れは来ます。
でも後者は、迎える前の準備でかなり減らせます。この記事の後半は、そこだけに絞って書きます。



分けて考えたことなかったです。たしかに、後悔の方は減らせそう
人になつかなかった柴犬を見送って、ぼくが初めて知った怖さ


我が家に、マルという柴犬がいました。
もともとは野良犬で、正確な年齢が分かりません。推定で15歳から18歳。2026年の2月に亡くなりました。野良犬だった時期があるので、生まれた日も、何歳で家に来たのかも、はっきりした記録が残っていません。
マルは、人になつく犬ではありませんでした
マルはマイペースな犬でした。呼んでも来ない。べったり甘えてくることもない。人になつく、というタイプではありませんでした。
それでも、見ているだけで癒されました。何かをしてくれるわけではなく、ただそこにいて、勝手に過ごしている。それを眺めている時間が、ぼくにとってはよかったんです。
見送ったあとに来たのは、寂しさでした
マルがいなくなって、ぼくの中に残ったのは寂しさでした。
なついていなかった犬です。呼んでも来なかった犬です。それでも、いなくなると寂しい。
これから迎える方に、ここだけは伝えたいです。懐いていたかどうかと、いなくなったときの寂しさは、まったく関係ありません。
「自分になつかなかったらどうしよう」「うまく関係を作れなかったらどうしよう」と心配している方がいます。でも実際は、なつかない犬でも、いなくなれば寂しい。逆に言えば、どんな関係になっても、その子はちゃんと自分の中に残ります。 上手に飼えたかどうかで、残り方が減ることはありません。
そして、怖さは失う前ではなく、失ったあとが大きいです。だから、迎える前にどれだけ想像しても、たぶん実際とは違います。それは準備不足ではなく、そういうものです。
考えていなかったぼくでも大丈夫だったので、考えているあなたはもっと大丈夫です
ぼくは、くうを迎えるときも、ロトとトロを迎えるときも、いつか見送る日のことを考えていませんでした。楽しみの方が完全に先に立っていて、頭の中になかったんです。
そのあとでマルを見送って、重さを知りました。そして、知ったあとも3匹と暮らしています。
つまり、「先に覚悟していたかどうか」は、その後を左右しませんでした。 覚悟していなくても続けられるし、覚悟していても悲しいものは悲しい。
いまこの記事を読んでいる方は、迎える前の段階でもう考えている人です。先に怖がっておく必要はありませんが、先に考えられている分だけ、準備は早く始められます。



何も考えていませんでした
怖さが消えないまま、それでも犬猫迎えてよかったと思う3つのこと
ここからは、実際に3匹と暮らしていて「迎えてよかった」と感じている部分を書きます。
先に断っておくと、この3つは怖さを打ち消すものではありません。 怖さは残ったままです。ただ、天秤にかけたときにこちら側が重い、という話として読んでください。
① 短いと知ってから、今日を後回しにしなくなった


くうはミニチュアダックスのオスです。ペットショップで7か月まで売れ残っていた子を、3万円で迎えました。
マルを見送るまで、ぼくは「散歩は明日でもいいか」「写真はいつでも撮れる」と思っていました。実際には、いつでも撮れる時間はそんなに長くありません。犬も猫も、一緒にいられるのはだいたい15年前後です。
15年は、長いようで週にすると約780回です。何気なく過ごしていると、あっという間です。
これを知っていると、今日いっしょに過ごすことの優先順位が勝手に上がります。「いつか死ぬ」を知っていることが、そのまま今日の質になるというのは、迎える前のぼくには分からなかった部分でした。
② 後悔しそうなことは、迎える前にほとんど潰せる
怖さの2つ目、「ちゃんとしてあげられなかったと思うのが怖い」の方です。
ここは準備でかなり減ります。実際に減らせるのは、だいたいこのあたりです。
- お金
毎月いくらかかるのか、生涯でいくらなのかを先に見ておく - 時間
留守番が何時間になるのか、そこに何を用意するのか - 体のこと
その犬種・その猫がかかりやすい病気を先に知っておく - 住まい
迎えたあとに慌てて買い足さないよう、必要な物を先に把握する
どれも、迎えてから考えると「あのとき知っていれば」になりやすい部分です。逆に言うと、先に知っておけば「あのとき」が発生しません。
ぼくの場合、くうは胴の長いミニチュアダックスなので、椎間板ヘルニアのリスクを先に知っておくべきでした。段差の対策を後からしました。




③ 迎えたあとの毎日は、別れの準備ではありません


ロトとトロは保護猫のハチワレで、どちらもオスです。知り合いの農家さんから譲ってもらいました。
迎える前に怖がっていると、迎えたあともずっと最後の日を意識してしまうんじゃないか、と思う方がいます。ぼくの実感では、そうはなりません。別れが来るのは事実ですが、この2匹を見ている時間に、最後の日のことは1ミリも入ってきません。



わたしたちは今日のことしか考えていません



本日の日課はお昼寝です
犬猫を迎える前に決めておくこと|年齢・お金・見送り方


ここは、この記事でいちばん実務的な部分です。
怖さを消すのではなく、後悔になりそうな部分を先に片づけておくという考え方でまとめました。全部を今日決める必要はありません。
何歳まで一緒にいられるかを、先に数字で見ておく
さきほどの15年を、自分の年齢に足してみてください。
いま35歳で子犬を迎えるなら、その子を見送るのは50歳前後です。60歳で迎えるなら75歳前後になります。これは重い作業ですが、先にやっておくと「想定外」がなくなります。
ここで「その年齢だと難しいかもしれない」と感じた方は、迎えないという結論ではなく、成犬・成猫を迎えるという選択肢があります。保護犬・保護猫には、すでに何年か生きている子がたくさんいます。一緒にいられる年数から逆算して迎えることは、無責任どころか、いちばん責任のある選び方です。
お金の見通しだけは、先に立てておく
お金の不安は、迎えたあとに後悔として出てきやすい部分です。
「思ったよりかかった」で苦しくなると、その苦しさは日常の全部に乗ってきます。逆に、先に数字を見て「これなら大丈夫」と分かっていれば、あとは楽しむだけになります。
迎え方によって初期費用はかなり変わり、ペットショップやブリーダーなら15万〜30万円台、保護団体からなら3〜5万円、知り合いからなら0〜1万円という幅です。ぼくの場合はくうが3万円、ロトとトロは知り合いの農家さんからでした。




見送り方は、うっすら知っておくだけでいい
これは意外に思われるかもしれませんが、先に知っておいた方が楽になる部分です。
マルのときは火葬をお願いしました。骨壷は、地元の火葬業者さんが用意してくれたものをそのまま使っています。自分で選んだわけではありません。
そのときに何も知らないと、いちばんつらい数日のあいだに、決めたことのない種類の判断を次々にすることになります。先に流れだけ知っておくと、そのときの自分がだいぶ助かります。
ただし、今日これを詳しく調べる必要はまったくありません。迎える前の段階では「そういうものがある」と知っているだけで十分です。実際に必要になったときのために、別の記事にまとめてあります。





3つとも、今日ぜんぶ決めなくて大丈夫です
決心がつかないときの選択肢|成犬・成猫を迎える、時期を待つ
ここまで読んでも決心がつかない方に、いくつか置いておきます。
決心がつかないまま迎えないという選択も、まったく問題ありません。 迎えないことは失敗ではありません。
その上で、間の選択肢もあります。
- 成犬・成猫を迎える
子犬・子猫より落ち着いていて、性格も分かった状態で迎えられます - 一時預かり(フォスター)に登録する
保護団体の預かりボランティアなら、期間を区切って犬猫と暮らせます - 今は迎えず、時期を待つ
住まい・仕事・家族の状況が変わってからでも遅くありません
また、過去に犬や猫を見送った経験があって、その怖さで動けなくなっている場合は、少し違う対応が要ります。
前の子を亡くしてから何か月も気持ちが戻らない、日常生活に支障が出ている、という状態であれば、それは「次を迎えるかどうか」の前の段階です。かかりつけの動物病院、お住まいの自治体の心の健康相談窓口、心療内科やカウンセリングなど、話せる先があります。
早めに相談した方が楽になりやすい、という程度に受け取っていただければと思ってます。


ペットが死ぬのが怖いときによくある質問
まとめ|怖いまま迎えて大丈夫です


最後に、この記事の要点をまとめます。
- ペットが死ぬのが怖いのは、責任の重さが先に見えているだけ。飼う資格の話ではありません
- 怖さは「もう会えない」と「ちゃんとできなかった」の2つに分かれます。準備で減らせるのは後者だけです
- ぼくが見送った柴犬のマルは、人になつく犬ではありませんでした。それでも残ったのは寂しさです。懐いていたかどうかと、いなくなったときの寂しさは関係ありません
- ぼくは見送る日のことを考えずに迎えて、あとから怖さを知りました。それでも3匹と暮らしています
- 迎えたあとの毎日は、別れの準備にはなりません。日常はちゃんと日常として過ぎていきます
- 迎える前に決めておくといいのは、①何歳まで一緒にいられるか ②お金の見通し ③見送り方をうっすら知っておくの3つ
- 決心がつかないまま迎えないのも、成犬・成猫を迎えるのも、時期を待つのも、全部ありです
怖さは消えません。ぼくもまだ持っています。くうもロトもトロも、いつか見送る日が来ます。
それでも、今日この3匹がここにいることの方が、ぼくにとっては最高です。



大丈夫、怖いと思えている時点で、その子はちゃんと大事にされますから







オレは今日も全力で生きてるぜ



先のことは、そのときに考えれば十分です



本日もお健やかにお過ごしください














