うんちが3日出ていない。でも、ごはんは食べているし、散歩にも行きたがる。
年を取った犬にこれが起きると、「病院に行くほどではない気がするけれど、放っておいていいものでもない」という、いちばん判断しづらいところで止まってしまいます。
あやうちの子、3日出てないんです。でも元気なんですよね……こういうときって、待っていいんでしょうか



北海道でダックスのくうと暮らす介です
実家にいた柴犬マルも同じで、3日出ないのに顔だけはやたら元気でした。あのときに調べたことと、実際にやってみて変わらなかったことを、そのまま書いていきます
結論から言うと、見るのは「何日出ていないか」だけではなく、「いつもと同じように過ごせているか」のほうです。 日数は判断のきっかけにはなりますが、それだけでは決められません。元気があって、食欲があって、お腹が張っていないなら、家で見ながら少し待てる場合があります。逆に、出ていない日数が短くても、いますぐ動物病院に行ったほうがいいサインがあります。
この記事では、その分かれ目を先に書きます。そのあとで、実家の柴犬マルに実際に起きたこと、3日出ないのに元気だったこと、水を飲む量が減っていなかったこと、ドッグフードをふやかしても出方が変わらなかったことを順番に書いていきます。


老犬のうんちが出ないとき最初に確かめること|元気・食欲・お腹の張りの3つ
日数を数える前に、この3つを見てください。ここが崩れていないかどうかで、待てるかどうかが変わります。
- 元気があるか
呼んだら来る、いつもの場所で寝ている、散歩に行きたがる - 食欲があるか
ごはんを残していないか、水を飲んでいるか - お腹が張っていないか
触ったときに硬くないか、触られるのを嫌がらないか
この3つが普段どおりなら、次に出た便がいつもと同じ形なら家で様子を見てもよい、というのが獣医師の説明です。
▶ 出典:[電話どうぶつ病院Anicli24「犬の便秘 後編」(獣医師 三宅亜希 監修)]
すぐに動物病院へ行きたいサイン
反対に、下のどれかが出ているときは、出ていない日数に関係なく早めに連れて行ってください。
| サイン | 見るところ |
| 元気と食欲が落ちている | 呼んでも来ない、ごはんを残す、寝てばかりいる |
| 何度もいきむのに出ない | トイレの姿勢を繰り返すのに何も出ていない |
| 吐く | 便が出ていない状態で吐くのは、腸のどこかが詰まっているサインのことがある |
| お腹が張って硬い | 触ると嫌がる、パンパンに見える |
| 便に血が混じる | 赤い筋、黒っぽい便 |
| 便秘と下痢が交互に来る | 硬い便のあとに水っぽい便が出る |
とくに「吐く」と「お腹が張って硬い」の2つは、様子を見る対象から外してください。 ここだけは日数で判断しないほうが安全です。



迷ったときは、電話で聞くだけでも大丈夫です。かかりつけがあるなら「うんちが3日出ていないんですが、元気はあります」と伝えるだけで、来てくださいか様子見でいいかを教えてもらえます
3日出なくても元気だった柴犬の話|便秘のサインが3つとも当てはまらなかった


実家にいた柴犬のマルは、シニアになってから、うんちが3日出ない日が出てくるようになりました。
マルの世話をしていた妻は、うんちが出た日をカレンダーに書いていました。 毎日つけていたおかげで、「なんとなく出ていない気がする」ではなく「3日空いている」と正確に分かる状態で、これがあとで効いてきます。
調べると、犬の便秘についてはだいたい同じことが書いてあります。ぼくたちもそれを読んで、順番に確かめました。ところが、我が家の場合は3つとも当てはまりませんでした。
| 一般に言われていること | マルで実際に起きたこと |
| 便秘になると、いきむ・苦しそうにする・食欲が落ちる | 3日以上出ていないのに、元気で普通に過ごしていた。ごはんも食べていた |
| シニアになると水を飲まなくなるので、便が硬くなる | 水を飲む量は減っていなかった |
| ドッグフードをふやかせば水分が補えて出るようになる | ふやかしても、出方は変わらなかった |
いちばん困ったのは、教科書どおりのサインが出ていないので、そもそも便秘なのかどうかが判断できない。 苦しそうにしてくれれば連れて行く決心がつくのに、元気なので病院に行く判断が迷ってしまう。



それ、すごく分かります。元気だと「大げさかな」って思っちゃうんですよね



そうなんです。でも、元気だから行かなくていい、ではないんですよね。
シニア犬のうんちが出ない原因|腸を動かす力・水分・食べる量・薬と病気
年を取った犬でうんちが出にくくなる理由は、大きく4つに分かれます。原因ごとに、家でできることがあるかどうかも違います。
腸を動かす力と、いきむ力が落ちる
便を先へ送るのは腸の動きで、最後に押し出すのは腹筋です。シニアになるとどちらも落ちるので、便の水分量が同じでも出にくくなります。散歩の距離が短くなったり、寝ている時間が長くなったりすると、これがさらに進みます。
水分が足りていない
水を飲む量が減ると便から水分が抜けて硬くなります。健康な犬が1日に必要とする水分量の目安は、体重1kgあたり40〜60mLとされています。体重5kgなら200〜300mLです。
▶ 出典:[アニコム損保「犬の1日に必要な水の量とは?」(獣医師 岸田絵里子 監修)]
この数字は、ごはんに含まれている水分も合わせた量です。ドライフードだけを食べている子は、水入れから飲む量がそのまま摂取量に近くなります。
食べる量そのものが減っている
見落とされやすいのがここです。うんちが出ないことと、うんちが作られていないことは別のできごとです。 食べる量が減れば、当然、出る量も回数も減ります。この場合は腸に問題があるわけではないので、水を増やしても出るようにはなりません。
薬の影響と、病気が隠れている場合
痛み止めや一部の薬には、便を出にくくする作用があるものがあります。シニアになると何かしら飲んでいることが多いので、飲んでいる薬があるなら、それを持って動物病院で相談してください。
また、前立腺の腫れ、会陰ヘルニア、腫瘍、脱水を伴う腎臓の病気などが背景にあることもあります。家でできる対処で変わらないときは、この4つ目を疑う番になった、ということです。



オレは毎日ちゃんと出てるぞ
家でできること3つ|水を増やす・散歩を分ける・お腹をさする
ここからは、動物病院に行く前でも家でできることです。ただし、どれも「効かなければ次に進む」ための手順だと思ってください。 効かないこと自体が、原因の場所を教えてくれます。
| やること | あてはまるのは、こんなとき |
| 水を増やす | 水入れの減りが以前より遅い。ドライフードだけを食べている |
| 散歩を短く分ける | 1回の散歩が短くなった。日中ほとんど寝ている |
| お腹をやさしくさする | 元気も食欲もあって、お腹が張っていない |
| 動物病院で相談する | 上を試しても変わらない。または、日数に関係なく元気がない |
水を増やす
水入れの数を増やして、寝ている場所のそばにも置いてみてください。器の高さが合っていないだけで飲まなくなる子もいるので、そこも一度見てあげてください。ぬるま湯にすると飲む子もいます。
そして、よく紹介されるのがドッグフードをふやかす方法です。マルにはこれが効かなく、 ふやかしたごはんは普通に食べてくれたのに、出方はまったく変わらなかったので、水分そのものが足りていなかったわけではなかったのです。





えっ、ふやかしても変わらないことってあるんですね



あります。ただ、これは試して損ということではなくて、水分不足じゃないと分かった、という前進なんですよね
散歩を短く分ける
腸は体を動かすと動きます。1回の散歩を長くするより、短い散歩を1日に2〜3回に分けるほうが、シニア犬には負担が少ないです。 歩きたがらない日は、庭先や玄関先で少し立たせてあげるだけでも違います。無理に歩かせる必要はないので、そこは様子を見ながらにしてみてください。
お腹をやさしくさする
横向きに寝ているときに、おへそのあたりを時計回りに、手のひらでゆっくり優しく撫でます。嫌がるようならすぐやめて、そのまま動物病院に相談してください。痛がる、触られたくない、というのは家でのケアをやめる合図です。
元気でも動物病院に相談していい|言われたのは「このまま様子を見ていい」だった
我が家は結局、妻と2人でマルを動物病院に連れて行き、先生に言われたのは「このまま様子を見ていい」でした。そのうえで薬を出してもらって帰ってきました。
獣医師に診てもらっただけで、そのあとの数日がまったく違いました。 それまでは1日ごとに「今日も出ていない」と気にしていたのが、あまり気にしなくなりました。
そしてこのとき役に立ったのが、妻がつけていたカレンダーです。最後に出た日がはっきりしていると、診察の話が早くなります。



だから、元気でも相談していいと思っています。連れて行って「様子見でいいですよ」と言われたら、それはムダ足じゃなくて、安心して帰ってきたということなので



たしかに……自分で「大丈夫」って思うのと、先生に言われるのって全然違いますね
診察のときは、この3つが分かると話が早いです。
- 最後にうんちが出た日と、そのときの形
- 1日に食べている量と、水を飲んでいる量
- いま飲んでいる薬とサプリ
シニア犬の体調は、日数と量の記録があるだけで、獣医師が見られる範囲がぐっと広がります。うんちが出た日にカレンダーへ印をつけるだけで十分伝わります。




ごはんを見直すのは、出ない日が続くようになってから|量とうんちの形をそろえて見る


出ない日が1回きりなら、ごはんはそのままでいいと思います。見直すのは、出ない日が月に何度も来るようになったときや、うんちの形が前と変わってきたときです。
そのときも、フードの種類をいきなり替えないでください。先に見るのは量で、ここには順番があります。
| 見る順番 | 見かた |
| いまの量を量る | 袋の表示どおりの量を、はかりで量って出しているか |
| ごはん以外を調べる | おやつなど、1日にどれだけ食べているか |
| うんちの形や量を調べる | 硬くなったのか、量が減ったのか、回数が減ったのか |
| フードを選び直す | ここまで見て、それでも戻らないとき |
うんちは、ご飯の量と中身の結果として出てくるものなので、量を量っていなかった、おやつが増えていた、というだけで形が変わることがあります。
ぼくもマルのときは、フードを替えれば出るようになるんじゃないか、と考えていましたが違いました。
量の決め方と、フードを選び直すタイミングについては、くうのごはんで実際にやっていることを別の記事にまとめています。体重ごとの量の早見表も載せているので、いまの量が合っているか確かめるところから見てみてください。


フードを選び直す番になったら
選び直す番になるのは次の2つのときです。
- 7歳を過ぎたとき
- 量を守っているのに、肋骨やくびれが分かりにくいままのとき
このどちらかに当てはまるなら、動物性タンパク質が主原料で、香料と着色料を使っていないフードに替えてみる価値があります。粒が小さければ、噛む力が落ちてきたシニア犬でも食べやすいですし、全年齢対応のものを選んでおくと途中で切り替える手間もなくなります。
モグワンその条件に当てはまるドッグフードのひとつです。7歳からはシニア用も出ているので、いまの年齢に合わせて選べます。
シニア犬のうんちが出ないときによくある質問
まとめ|出ない日を数えるより、いつもと同じかを見ていれば大丈夫
シニア犬のうんちが出ないとき、見るところをもう一度だけ並べておきます。
- 日数の前に、元気・食欲・お腹の張りの3つを見る
- 吐いている、お腹が硬い、何度もいきむのに出ない。このときは日数に関係なくすぐ動物病院へ
- 家でできるのは、水を増やす・散歩を分ける・お腹をやさしくさする。
- 家で試して変わらなかったのは失敗ではなく、原因がそこになかったということ
- 元気でも相談していい。 「様子を見ていい」と言ってもらえたら、そのあとの数日が楽になる
柴犬マルは、3日出ない日があっても、そのあいだ普通に散歩に行って、普通にごはんを食べていました。数えていたのは壁のカレンダーのほうで、本人はいたって平気な顔をしていたんです。
年を取ると、それまでなかったことが少しずつ増えていきます。そのたびに全部を心配していたら身が持たないので、「いつもと同じかどうかを見る」というひとつの物差しだけ持っておけば十分だと思います。



大丈夫、うちの柴犬も3日出ないまま、元気に散歩へ行っていましたから。
プレミアムドッグフード『モグワン』



オレのごはんは、いつもはかりで量ってもらってる



マルさんのこと、ちゃんと病院で聞いてもらえてよかったです



わたくしの砂のお片づけも、どうぞよろしくお願いします















